中古機械買取の注意点

執筆者 | 8月 24, 2022 | ブログ

中古機械

今まで使用していた中古機械の処分に困った経験、ありませんか?生産ラインの変更や新規の設備投資、 機械の故障による買い替えなどで新しい機械が入ったものの、これまで活躍してくれた機械をどうしたら良いものか。

これは、工作機械を使用している全ての会社で遭遇する問題だと思います。そのまま放置してしまうと、スクラップ化が進んでしまうのも機械の特徴。処分には高額なコストがかかることも、みなさん認識されていることでしょう。しかし、もう動かなくなってしまった中古機械でも買取可能な場合があるとか・・・!

買取の可能性があるのであれば、手間や経済的なコストを考えてもぜひ検討したいですよね。今回は、中古機械買取の注意点についてまとめました。

中古機械の査定ポイント

主な傾向は下記のとおりです。

  1. 一流メーカーの製品は安定的に人気があるため査定に有利
  2. 海外でもサービスが受けられるメーカーの製品は査定に有利(1.2では森精機製作所やオークマといった主要メーカーが挙げられます。)
  3. NC工作機械ならファナックが圧倒的に有利

機種や種類をチェックしましょう

「うちの機械はもう古いし・・・」とご心配はありますか?実は、多少古い機種であっても、過去によく売れた機械は査定では有利になるのです。

  • 大型の研削盤などは有利になるケースも。
  • 最近のトレンドにあった機械は有利になります。
  • その分野で名が通った機種は有利。
  • 門型マシニングセンター、五面加工機、フロア形横中ぐりフライス盤などが、現在海外で需要が高いです。

また、年式のチェックも必須です。国内の機械市場では、1989年(平成元年)を境として査定評価が大きく変わります。それ以前の製造分は価格が低めの査定となる場合が多いのですが、海外ではまだまだ人気があります。もちろん、モータや制御装置の内容によって価格が変動しますので併せてチェックすると良いと思います。

機械の状態をチェックしましょう

状態のチェックの際は下記を確認していきましょう。

✅ 異音や振動が出ていないか。(スピンドル、送り部分など各所をくまなくチェック)

✅  自動工具交換装置(ATC)のトラブルはないか

✅  外観(傷やダメージ等見た目の問題がないかチェック)

✅ 付属品の有無

現在ではあまり活用されていない加工法の機械や、海外製の工作機械は査定価格がつかない場合も見受けられます。しかしながら、その時その時の査定状況で流動的な部分もありますので、最初から無理と決めつけることなく、上記のチェックポイントをおさえつつ検討していくのが良いでしょう。

買取業者はどのように選べばいいの?

新しい機械に入れ替える場合などでは、メーカーやディーラーが古い機械を下取りしてくれる場合もありますが、単に古いものを処分するとなると、中古機械専門の買取業者に託すケースが殆どかと思います。そこで、重要なのが業者の選定。安心して取引できる業者を選ぶことが、査定および売却をスムーズに進めるために欠かせません。

情報収集もしっかりとした上で、中古機械市場を熟知した専門業者を選ぶことで、価格はもちろん、時間的コストなども含めた満足のいく取引につながるはずです。中古機械の売買の世界ではブローカーが存在します。買い手と売り手との仲介役なのですが、中には悪質な取引を行っているブローカーがいるのも事実です。買い手が見つかっていないのに、見込みで仕入れを一気に進めてしまうことでトラブルに。保管場所がないため、機械が引き取られずに非常に困っているといった話も珍しくないようです。

中古機械の買取は、業界的に専門性が高い部類のため、外部から見ると不透明な要素も多いです。見積もり金額ももちろん大切ですが、不要なトラブルを避けるためにも実績などをしっかりとチェックし、総合的に満足できるよう判断していただきたいと思います。

修理業者や新品販売の会社に依頼しては?と考える方もいらっしゃると思いますが、それらの会社は機械の買取専門ではないと認識しておくべきです。依頼ができるケースであっても、大半はつながりのある中古機械の買取業者を紹介されることが多く、手数料等が発生する可能性がありますので注意が必要です。

買取査定は適正か?

「できるだけ高く買い取って欲しい。」皆さんそのようにご希望されると思います。しかしながら、査定価格が高ければ適正であるということにはなりません。それぞれの機種、個々での状態や年式を確認しなければ本当に正確な査定価格は見積もれないはずなのです。

中古機械は新品価格に左右されず、中古機械の相場で決まります。転売市場での独自の価格になるため、単品売却の場合は、原則としてその市場価格を上回る金額は出ないと考えるのが妥当です。

税法上の減価償却後の価格と、中古機械市場での販売価格を基に、在庫期間、撤去費用、人件費などを加味して、買取価格は算出されるものです。受け取った見積もりに対して、適正であるかどうか一旦確認する作業は重要です。

中古機械買取についてのまとめ

今回は、中古機械買取のおさえておきたいポイントについてまとめました。上記でまとめてきた項目を総括すると、買取業者はもちろんのこと、売主側も機械の状態や情報についてしっかりと把握することがいかに重要かわかりました。

そして、年式や機種に加えて、その機械自体のコンディションもよく見極めて適正な査定価格を引き出すことが肝要と言えます。 「古くなったからもう使えない」と思っていた機械でも、査定することにより、また改めてどこかで活用される可能性を秘めているかもしれません。今回の記事を、そのご参考や知見にしていただければ幸いです。