日本の工作機械メーカー売上ランキング|主要メーカー一覧を解説

執筆者 | 3月 13, 2026 | ブログ

工作機械メーカー ランキング

日本は世界有数の工作機械大国として知られており、多くの優れた工作機械メーカーが存在しています。日本製の工作機械は精度や耐久性の高さで世界的に評価されており、自動車、航空機、半導体、精密機器など、幅広い産業の製造現場で使用されています。

工作機械は「マザーマシン」とも呼ばれ、あらゆる製品の部品を加工する基盤となる設備です。そのため工作機械メーカーの技術力は、製造業全体の競争力にも大きく影響します。本記事では、日本の主要工作機械メーカーを売上規模を基準としたランキング形式で紹介し、それぞれの特徴や強みについて解説します。

工作機械メーカーランキングの基準

本記事のランキングは、**各メーカーの売上規模(主に工作機械事業または企業売上)**を参考に作成しています。工作機械メーカーには、工作機械専業メーカーと複合事業メーカーが存在します。例えば、工作機械だけを製造する企業もあれば、ベアリングや電子機器など複数の事業を持つ企業もあります。

そのため、本記事では各社の公開情報や業界データを参考に、日本の主要工作機械メーカーを売上規模ベースで整理しています。売上規模は企業の生産能力、研究開発力、世界市場での影響力を示す指標の一つといえます。

日本の工作機械メーカー売上ランキング

日本には多くの工作機械メーカーがありますが、その中でも売上規模や世界市場での存在感が大きい企業は限られています。ここでは、日本を代表する主要工作機械メーカーを売上規模を基準に紹介します。工作機械メーカーは企業ごとに得意分野が異なり、高精度加工機を得意とする企業や大型機械に強みを持つ企業、あるいは自動化設備を重視する企業などさまざまです。

1位 DMG森精機

売上高:約5,000億円

DMG森精機は、日本を代表する工作機械メーカーであり、世界でもトップクラスの規模を持つ企業です。2013年にドイツのDMG社と経営統合したことで、グローバル企業として大きく成長しました。現在では世界80か国以上に販売・サービス拠点を持ち、欧州や北米市場でも強い存在感を持っています。特に航空機産業や医療機器産業など、高精度加工が求められる分野で多くの工場に導入されています。

DMG森精機の特徴は、高付加価値の工作機械を中心とした製品戦略です。複合加工機や5軸加工機など、高度な加工が可能な機械に強みを持っています。1台の機械で複数工程を加工できるため、生産効率の向上にも貢献します。近年ではIoT技術を活用したデジタル製造にも力を入れており、機械の稼働データを分析するシステムなども開発しています。

2位 ヤマザキマザック

売上高:約4,000億円

ヤマザキマザックは、日本を代表するグローバル工作機械メーカーの一つです。愛知県に本社を置き、世界中の製造業でMazakブランドの機械が使用されています。海外売上比率が非常に高く、北米市場では特に強い存在感があります。アメリカやヨーロッパなどに多くの生産拠点や販売拠点を持ち、グローバル企業として成長してきました。

ヤマザキマザックの特徴は、複合加工機の分野で高い技術力を持っていることです。複合加工機は旋削とフライス加工を1台の機械で行える設備で、生産工程を大幅に短縮できるメリットがあります。また、レーザー加工機などの板金加工機械も製造しており、幅広い加工分野に対応できるメーカーです。

3位 オークマ

売上高:約2,000億円

オークマは100年以上の歴史を持つ老舗工作機械メーカーです。愛知県大口町に本社を置き、日本の工作機械産業を長年支えてきました。オークマの最大の特徴は、NC制御装置を自社開発している点です。多くの工作機械メーカーは外部メーカーのNC装置を採用していますが、オークマは機械と制御装置を一体で開発しています。

これにより機械性能を最大限に引き出すことができ、高精度加工を実現しています。特に重切削加工や大型部品加工の分野で評価が高く、建設機械やエネルギー産業などの分野でも使用されています。また、熱変位補正などの独自技術にも強みがあります。

4位 牧野フライス製作所

売上高:約2,000億円

牧野フライス製作所は、日本を代表する精密加工機械メーカーの一つであり、特に高精度加工の分野で世界的に高い評価を受けています。1937年に創業し、長年にわたり金属加工技術の発展に貢献してきました。牧野フライスの最大の特徴は、精密加工分野への強いこだわりです。特に金型加工の分野では世界的なシェアを持っており、自動車用金型や電子機器用金型の加工などで多くの工場に導入されています。

主な製品には

  • 高速マシニングセンタ
  • 金型加工用マシニングセンタ
  • グラファイト加工機

などがあります。航空機産業向けの加工機械も強く、航空機部品のアルミ加工やチタン加工など、高精度かつ高効率な加工を実現する設備として評価されています。また、牧野フライスはアメリカやアジアにも拠点を持っており、海外市場でも存在感のあるメーカーです。特に北米市場では航空機産業向け設備として広く使用されています。

5位 ジェイテクト

売上高:約1,500億円(工作機械関連)

ジェイテクトはトヨタグループに属する企業で、ベアリングやステアリング部品などを製造する総合機械メーカーです。工作機械事業では主に研削盤を中心とした加工設備を製造しています。自動車産業との関係が深く、自動車部品加工ラインで使用される研削盤の分野で高い技術力を持っています。エンジン部品やトランスミッション部品などの精密加工では、研削加工が重要な工程となります。

ジェイテクトの研削盤は高精度かつ高効率な加工が可能であり、自動車メーカーや部品メーカーの生産ラインで多く使用されています。また、トヨタグループの企業として培われた生産技術や品質管理のノウハウを活かし、高い信頼性を持つ機械を提供しています。近年では自動化技術やスマートファクトリーへの対応にも力を入れており、生産ラインの効率化を支援する設備開発も進めています。

6位 ブラザー工業

売上高:約1,000億円(工作機械関連)

ブラザー工業はプリンターやミシンなどで知られる企業ですが、工作機械分野でも独自の存在感を持っています。ブラザーの工作機械事業はコンパクトマシニングセンタを中心としており、省スペースかつ高速加工が可能な設備として評価されています。特に中小規模の加工工場では、設置スペースの制約がある場合も多いため、コンパクトな機械は導入しやすいというメリットがあります。

ブラザーのマシニングセンタは加工速度の速さと高い生産性が特徴で、自動車部品や精密部品の加工などで多く使用されています。また、省エネルギー設計にも力を入れており、消費電力を抑えながら高い加工能力を実現する機械として評価されています。近年では自動化設備との連携にも対応しており、ロボットとの組み合わせによる無人加工ラインの構築などにも活用されています。

7位 シチズンマシナリー

売上高:約700億円

シチズンマシナリーは精密部品加工向けの自動旋盤メーカーとして世界的に知られています。時計メーカーとして有名なシチズングループの企業であり、精密加工技術を活かした工作機械を製造しています。主力製品はCNC自動旋盤であり、特にスイス型自動旋盤の分野では世界的に高い評価を受けています。スイス型自動旋盤は、細長い部品を高精度で加工することができる機械であり、

  • 時計部品
  • 電子部品
  • 医療機器部品

などの小型精密部品の加工に広く使用されています。近年では医療機器部品や電子機器部品の需要が増えており、精密加工機械の需要も拡大しています。こうした分野において、シチズンマシナリーの機械は重要な役割を果たしています。また、海外市場にも積極的に展開しており、ヨーロッパやアジアなど世界各国で導入されています。

8位 ツガミ

売上高:約900億円

ツガミは長野県に本社を置く精密工作機械メーカーであり、自動旋盤や研削盤などの精密加工機械を製造しています。精密部品加工の分野で高い評価を受けており、電子部品や医療機器部品などの加工設備として多く使用されています。ツガミの特徴は海外市場への展開力です。特に中国市場での売上比率が高く、中国の製造業の成長とともに販売を拡大してきました。

自動旋盤の分野ではシチズンマシナリーと並ぶ主要メーカーとして知られており、小型精密部品の加工設備として多くの工場に導入されています。また、ツガミの機械は比較的コンパクトで使いやすい設計が特徴であり、中小規模の加工企業にも導入されやすい機械として評価されています。

9位 アマダ

売上高:約4,000億円(板金機械)

アマダは板金加工機械の分野で世界トップクラスのメーカーです。1946年に創業し、長年にわたり板金加工設備の分野で技術開発を続けてきました。主な製品には

  • レーザー加工機
  • タレットパンチプレス
  • ベンディングマシン

などがあります。これらの設備は、自動車部品、建築部材、家電製品などの板金部品の加工に使用されています。アマダの強みは板金加工のトータルソリューションを提供できる点です。加工機械だけでなく、ソフトウェアや自動化設備なども含めた生産システムを提供しています。また、世界各国に販売拠点やサービス拠点を持ち、グローバル企業として事業を展開しています。

10位 芝浦機械

売上高:約1,200億円

芝浦機械(旧 東芝機械)は、日本の総合産業機械メーカーの一つであり、工作機械や射出成形機などの産業機械を製造しています。長年にわたり産業機械分野で技術を蓄積してきた企業として知られています。工作機械の分野では、大型設備や特殊機械に強みがあります。大型金型の加工や重工業分野の部品加工など、大きなワークを加工する設備として導入されるケースが多くあります。

また、芝浦機械は海外市場にも展開しており、アジアや北米などの地域でも機械が使用されています。こうした背景から、芝浦機械は日本の産業機械メーカーの中でも長い歴史と実績を持つ企業の一つとして知られています。

日本製工作機械が世界で評価される理由

日本製の工作機械は、世界の製造業の現場で高い評価を受けています。日本はドイツや中国と並ぶ工作機械大国として知られており、長年にわたって高品質な工作機械を世界中に供給してきました。では、なぜ日本製の工作機械はこれほどまでに高く評価されているのでしょうか。その理由にはいくつかの重要なポイントがあります。

1.高い加工精度

まず挙げられるのが、加工精度の高さです。日本の工作機械は非常に高い精度で加工を行うことができ、精密部品の製造に適しています。自動車、航空機、半導体、医療機器などの分野では、ミクロン単位の精度が求められることも珍しくありません。

日本の工作機械メーカーは長年にわたり精密加工技術を磨いてきたため、こうした高精度加工を安定して実現できる機械を提供しています。例えば、金型加工や航空機部品の加工では、加工精度が製品品質に直結します。高精度な加工が可能な日本製の工作機械は、こうした分野で多く採用されています。

2.高い耐久性

日本製工作機械のもう一つの特徴は、耐久性の高さです。工作機械は長期間使用される設備であり、工場によっては20年以上使用されることも珍しくありません。日本製の工作機械は剛性の高い構造で設計されており、長期間安定した加工が可能です。

特に鋳物構造のベッドやコラムなどは機械の剛性に大きく影響します。日本メーカーの工作機械はこうした基本構造がしっかりしているため、長年使用しても精度が安定しやすいと言われています。そのため、海外の工場でも日本製の工作機械は長く使用される傾向があります。

3.安定した品質

日本製工作機械は品質の安定性でも高く評価されています。日本の製造業は品質管理のレベルが高く、部品加工や組み立て工程において厳しい品質基準が設けられています。そのため、同じ機種であればどの機械でも安定した性能を発揮することができます。

これは量産設備として工作機械を導入する企業にとって非常に重要なポイントです。加工精度が安定していなければ、生産ライン全体の品質に影響する可能性があります。日本製の工作機械はこうした品質面での信頼性が高いため、多くの製造業で選ばれています。

4.技術力の高さ

日本の工作機械メーカーは長年にわたって技術開発を続けてきました。例えば

  • 高速加工技術
  • 高精度位置決め技術
  • 振動抑制技術
  • 熱変位補正技術

など、多くの技術が開発されています。これらの技術は、より高精度な加工や高効率な生産を可能にします。近年ではAIやIoT技術を活用したスマートファクトリーの分野でも、日本の工作機械メーカーは積極的に取り組んでいます。こうした継続的な技術開発が、日本製工作機械の競争力を支えています。

5.世界中に広がるサービス体制

工作機械は導入して終わりではなく、長期間使用される設備です。そのため、アフターサービスやメンテナンス体制も非常に重要になります。日本の主要工作機械メーカーは世界各国にサービス拠点を持ち、海外でもサポートを受けられる体制を整えています。例えば

  • 海外サービス拠点
  • 部品供給ネットワーク
  • 技術サポート体制

などが整備されています。こうしたサポート体制があることで、海外の工場でも安心して日本製工作機械を導入することができます。

日本製工作機械は中古市場でも人気な理由

日本製の工作機械は新品市場だけでなく、中古市場でも非常に高い人気があります。日本国内で設備更新によって使用されなくなった機械でも、海外では再び生産設備として活用されるケースが多くあります。中古工作機械の市場は国内だけで完結しているわけではなく、世界中の製造業とつながっています。日本で役目を終えた機械が、海外の工場で再び稼働するという流れは珍しいことではありません。こうした背景には、日本製工作機械の品質や耐久性の高さがあります。

1.日本製機械の高い耐久性

日本製工作機械が中古市場で人気を集める大きな理由の一つが、耐久性の高さです。工作機械は長期間使用される設備であり、適切なメンテナンスを行えば20年以上使用されることも珍しくありません。日本の工作機械メーカーは機械の剛性や構造を重視して設計しているため、長期間使用しても安定した加工精度を維持しやすい特徴があります。

例えば、鋳物構造のベッドやコラムなどの基本構造は、機械の精度や耐久性に大きく影響します。日本製の工作機械はこうした構造部分がしっかり作られているため、長年使用しても精度が大きく崩れにくいと言われています。そのため、日本国内では設備更新の対象となった機械でも、海外ではまだ十分に使用できる設備として評価されることがあります。

2.日本の工場環境とメンテナンス文化

日本製中古機械が評価される理由の一つに、日本の工場環境があります。日本の製造業では定期的なメンテナンスや点検が行われているケースが多く、機械の状態が比較的良好な場合が多いと言われています。

例えば

・定期的なオイル交換
・精度調整
・清掃や点検

などが日常的に行われている工場も多くあります。

こうした管理が行われている機械は中古市場でも評価されやすく、海外のバイヤーにとっても安心材料となります。

3.海外市場における中古機械需要

海外では新品設備を導入することが難しい企業も多く、中古工作機械の需要が高い地域があります。特に需要が高い地域として挙げられるのが

  • インド
  • ベトナム
  • タイ
  • インドネシア
  • フィリピン

などの国々です。これらの国では製造業が成長しており、新しい工場や加工会社が増えています。しかし新品の工作機械は高額な設備投資になるため、初期投資を抑える手段として中古機械が選ばれるケースが多くあります。その中でも、日本製の工作機械は品質と価格のバランスが良いため、多くの企業に選ばれています。

4.海外における機械修理・再生文化

海外では機械を修理しながら長期間使用する文化があります。日本ではメーカーサポートが終了した機械は評価が下がることがありますが、海外では必ずしもそうとは限りません。現地の技術者が

  • 機械を分解して修理する
  • 部品を交換する
  • 制御装置を更新する

などの対応を行いながら、機械を長期間使用するケースがあります。そのため、日本では古いと評価される機械でも、海外では十分に使用可能な設備として再評価されることがあります。

5.日本製工作機械のブランド価値

日本製の工作機械は世界的にブランド価値があります。DMG森精機、ヤマザキマザック、オークマ、牧野フライスなどのメーカーは海外でも広く知られており、日本製というだけで品質の高さを期待されることもあります。

このブランド価値は中古市場でも重要な要素となります。海外のバイヤーにとって、日本製機械は「品質が安定している」「長く使える」というイメージがあるため、中古でも安心して購入できる設備として評価されることがあります。

6.設備更新機械の海外での再利用

日本の製造業では、設備更新のサイクルが比較的早いと言われています。生産性向上や自動化のために新しい設備を導入する企業も多く、比較的状態の良い機械でも更新対象となることがあります。しかし、こうした機械でも海外ではまだ十分に使用できる場合があります。例えば

  • 立形マシニングセンタ
  • NC旋盤
  • 横中ぐり盤
  • 門型マシニングセンタ

などは海外でも需要が高く、日本で使用されていた機械が海外の工場で再び稼働するケースも多くあります。

まとめ

日本には世界的に評価されている工作機械メーカーが多く存在します。DMG森精機、ヤマザキマザック、オークマなどの企業は世界市場でも大きな存在感を持っています。また、日本製の工作機械は耐久性や精度の高さから中古市場でも人気があります。設備更新によって不要になった機械でも、国内外で再利用されるケースがあります。

設備更新や工場整理を検討している場合は、機械の状態によって売却できる可能性もあります。中古市場を含めた査定を受けることで、思わぬ価値が見つかることもあります。