
工場の閉鎖や事業縮小を検討する際、最も悩ましいのが「設備の扱い」です。
- 何から手をつければいいのか分からない
- 処分費がどれくらいかかるのか不安
- 売れる機械があるのか分からない
- できるだけ損をしたくない
このような声は非常に多く聞かれます。工場閉鎖や縮小は、経営にとって大きな転換点です。だからこそ、設備整理を感覚で進めるのではなく、順序立てて進めることが重要です。本記事では、損をしないための設備整理チェックリストを解説します。
なぜ設備整理が重要なのか?
工場閉鎖・縮小時の設備整理は、単なる「片付け」ではありません。設備の扱い次第で、
- 処分費が数百万円変わる
- 資金繰りが改善する
- 固定資産税が削減できる
- 次の事業への投資資金が生まれる
といった差が生まれます。つまり設備整理は、コストではなく経営判断なのです。
設備整理チェックリスト【全体像】
まずは全体像を確認しましょう。
- 保有設備の洗い出し
- 稼働状況の分類
- 帳簿価額の確認
- 市場価値の確認
- 処分費用の把握
- スケジュール設定
- 解体前の最終確認
この順番で進めることが重要です。
① 保有設備をすべて洗い出す
まず最初にやるべきことは、設備の棚卸しです。
- プレス機
- 旋盤
- マシニングセンタ
- 板金機械
- コンプレッサー
- フォークリフト
主要設備だけでなく、付帯設備も含めてリスト化します。この段階で重要なのは、「使っていない設備」も含めることです。
② 稼働状況で分類する
設備は次の3つに分類します。
A:今も使用している設備
B:ほぼ使用していない設備
C:完全に停止している設備
閉鎖や縮小の場合、BとCが整理対象になります。特にCは、放置すると価値が下がり続けます。
③ 帳簿価額・固定資産の確認
設備の帳簿価額を確認します。
- 減価償却が終わっているか
- 固定資産税が発生しているか
- リース残債はあるか
ここを整理することで、「保有し続けるコスト」が見えてきます。
④ 市場価値を確認する
ここが最も重要です。国内では需要がなくても、海外では評価されるケースがあります。特に以下は売却可能性が高い設備です。
- プレス機
- NC旋盤
- フライス盤
- 射出成形機
- 板金機械
年式が古くても、海外需要がある場合があります。
⑤ 処分費用を把握する
設備を解体・撤去する場合、費用がかかります。
- 解体費
- 搬出費
- 産廃処理費
- 床補修費
大型設備の場合、数十万円〜数百万円になることもあります。売却できる設備と処分が必要な設備を分けることで、トータルコストは大きく変わります。
⑥ スケジュールを逆算する
閉鎖や縮小には期限があります。
- 退去期限
- 土地返却期限
- 契約終了日
設備売却には時間がかかる場合があります。そのため、最低でも3〜6か月前から動くのが理想です。
⑦ 解体前に必ず査定を取る
これが最も重要なポイントです。解体してしまうと、機械としての価値は消えます。スクラップ価格になってしまう可能性があります。解体前に査定を取ることで、
- 売却可能か
- いくらになるか
- 撤去費用込みでプラスになるか
が分かります。
工場縮小でも同じことが言える
閉鎖だけでなく、縮小の場合も同様です。
- 生産ライン削減
- 設備更新
- 外注化
このタイミングは、遊休設備が発生しやすい時期です。使わない設備を持ち続けると、
- 固定資産税
- スペースコスト
- 老朽化リスク
が発生します。
設備整理は「守り」ではなく「攻め」
工場閉鎖や縮小は、ネガティブに捉えられがちです。しかし設備整理を適切に行えば、
- 現金化
- 税負担削減
- 資産効率改善
につながります。これは経営改善の一環です。
まとめ
工場閉鎖・縮小時の設備整理は、次の順番で進めましょう。
- 設備の棚卸し
- 稼働状況の分類
- 帳簿価額確認
- 市場価値確認
- 処分費把握
- スケジュール設定
- 解体前に査定
このチェックリストを踏むことで、損失を最小限に抑えられます。設備整理は単なる片付けではなく、経営判断です。














